創業時の思い出

 

創業者である大澤正修は昭和12年10月28日に北海道で生まれました。

はじめ大阪にて起業したものの上手くいかず、心機一転上京して創業したのが昭和41年の1月。これが弊社のはじまりとなります。

当初こそ東京オリンピック景気の真っ最中で順調でしたが、五輪が終わると景気も一段落。さて、これからどのような仕事をしていこうか、と悩みに悩んだ正修は、気晴らしもかねて伊東へ旅行に出たそうです。

旅の帰途、立ち寄った鎌倉銭洗い弁天にて祈願をしたことが神様に届いたのでしょうか。旅行から帰った正修のもとに一本の電話がありました。

電話の主は神楽坂にある飲み屋のママで「ある会社の社長さんが電気屋さんを探しているよ」とのこと。とるものとりあえずお店に向かうと、ありがたいことにその社長さんから当時流行の兆しを見せていたボーリング場の電気工事を紹介して貰うことができました。

順調と思われたボーリング場の仕事でしたが、ブームの終焉を感じさせる出来事もあらわれ始めた頃、そうなる前にと、次の仕事を模索することとなりました。事業を続けるためには常に先を見る──先を読むことが求められています。そんな折、創業時の知り合いから「立体駐車場」の仕事をしているという話を聞く機会がありました。

珍しい仕事だな、という気持ちもありましたが、同時に「これだ!」と思った正修は根気強く頼み込み、機械式駐車場のメンテナンス業務を紹介して貰いました。

路上駐車が当たり前の当時、「車なんてその辺に駐めてしまえばよいものをわざわざ機械式の駐車場なんて」としばしば馬鹿にされたそうですが、正修はしかし、この仕事は絶対に大きくなると信じていました。

機械のメンテナンスは日中の業務ですが、大変なのは夜間待機でした。この仕事は24時間365日お客様の要請に対応しなければなりません。いずれはこの仕事をメインとするため、社員にその姿勢を見せるべく、正修はたった一人で一年間、夜間待機をこなしました。そうした取り組みの成果か、取引先の皆様からも徐々に信頼されるようになり、仕事も増え、やがては今日の大沢電装へと続いていきます。

機械式駐車場とともに歩み続け、昨年50周年を迎えることができました弊社ですが、先に述べました通り、そのはじまりから今日にいたるまで、すべては皆様のご支援とご指導の賜物であり、そのことに社員一同心より感謝申し上げます。

株式会社大沢電装は、今後も皆様と機械式駐車場の発展に尽くせますよう、さらなる挑戦を続けて参ります。